JUDGE’S COMMENTS – SUPERNOVA vol.1
2015年12月20日(日)に世界トップクラスの実力を持つKAZUKI ROCをジャッジに迎えて開催された、25歳以下が参加可能のBBOYバトル「SUPER NOVA」でジャッジを務めた3名の総評を掲載。数多くの激戦バトルを繰り広げた一日を審査員の方々に振り返る。
LtoR… NEGATIVE / KAZUKIROK / kt
– 全体の感想
自分のダンススタイルがしっかりしているbboy、bgirlが多いと感じました。パワームーバーやスキル系・トップロック・フットワーク・スレッドやネタ師など、たくさんのスタイルを観れて新鮮でした。
良い意味にも捉えれそうですが『自分はこのスタイルです!』と、正直にムーブをして意外性や個性、エネルギー、バトル感を感じられないチームは予選敗退になったと思います。逆に『感性』だけがあっても、ピックアップする事はできませんでした。
BEST16のバトルからは、普段ピックアップされたことない人も多かったと思いますが、プレッシャーを跳ね除けてメンタルがブレずに気持ちを込めているチームが勝ち上がっていったと思います。
Aサークルの中盤でバトル中湿気で滑ることが多々ありましたが、その中で踊ったkidsはミスしなかったです。臨機応変に対応していきましょう。
– 印象に残ったダンサー、チーム、バトル等
『スケ』『Ryubear』『やごし』『ケンジ』は後輩を引っ張ってる感がありました。特に『スケ』のムーブは心にきましたね。『OK』『にこにこぷん』のKIDSチームは大人が負けるほどのパワーを感じました。他のKIDSも感動を与えてくれる子ばかりで今後が楽しみです。1番は『YELLOW SUNS』の『BoMaa』ですね。独特のフローや不思議感が大好きでした。あのバトル会場で1番かっこよかったと思います。
– 出場者へのメッセージ
昔のぼくを知ってる人も多いですが、自分は軟体と個性でダンスをしていました。
今回、軟体系がいなかったので例にしますが、軟体系の動きだけをしていればジャッジの印象には残り易いです。けれど、レベルの低いトップロックやフットワークをやれば、こいつは軟体しかできないんだなと思われてしまいます。個々で自分の1番の武器は違いますが、それを際立たせる為には『貫き通す』か、『他の部分を磨いていく』しかないと思います。ぼくは後者を優先しました。別にどちらを選んでも良いんです。ぼくは軟体だけではダンスしてる気になれないと思っただけです。
要するに自分のダンスを自分自身で好きになってないと自信を持って踊れないし、気持ち良く踊れないです。最近ではトップロックをするだけで楽しくてニヤけることあります。そういうのがバトル中のエネルギーになったり、ジャッジの心を掴んだりもすると思います。ポジティブになったもんだ(笑)
話がズレました。今回ぼくの先入観ですが、ユニットで組んでいるチームがあまりなかった気がしてとても嬉しかったです。ユニットだと大抵は1回きり、スタンスもラフな感じで『楽しもうよ!』ってなります。バトルの気持ちの入り方や、今後の糧になることも少ないです。同じサークル・先輩&後輩・クルー仲間で出ると気持ちの入りも絶対違いますし、あとで動画を見返してお互いの良かったところ、悪かったところも本音で言い合えます。1人で悩んでても時間が勿体無いです。立ち止まらずお互いに高め合って前に前に進んでいきましょう。
次回のSUPER NOVAは今年度内って聞きました!次回は是非バトラーとして参加させて頂きます!皆さん長丁場お疲れ様でした!
– 全体の感想
25歳以下限定のバトルということで、エナジー全開の踊りが多いかな?とか勝手に予想してましたが、静かに綺麗に踊る人が多い印象がありました。表面的なものじゃなくて、その土地の「Break boy」としてのあり方を意識できている人が今回は勝ち上がってた感じ。楽しかったです。
– 印象に残ったダンサー、チーム、バトル等
『Ryubear』と『Lyuboy』。やり続ければ凄いことになると思う。
– 出場者へのメッセージ
僕が若い頃は、寝るとき以外はダンスの事を考えてた。
だからみんなにもbboyingを考える時間を今よりも増やして欲しい。今は情報がありふれてて、考えなくても手に入るものが増えた。でもそれは本当の意味で手に入ってない。
情報が多いのはとても良いことだけど、知識を得るとその事柄に対して人は考える事をサボりがちになる。情報や知識を鵜呑みにしないで考える事を続けてみたら、この中からとんでもないやつが生まれるよ。
– 全体の感想
予選も本戦もですが、なかなか勝敗をつけるのが難しいバトルが多かったです。予選に関しては10チーム程度は僕の中ですぐ決まりましたが、それ以降は決めるのが難しかったです。2on2だったので、片方がよくて、片方が微妙。1ムーブ目はいいけど2ムーブ目は微妙なチームが多かったですね。
1人2ムーブって言う予選の仕組みも、みんなに課題を残したんじゃないかと思います。
経験が少ない若い世代のBBOY、BGIRLが2ムーブをどう活かせばいいかって言うのが難しかったのかなって感じました。
– 印象に残ったダンサー、チーム、バトル等
うまい、かっこいい、スタイルもあるBBOYは何人もいました。僕が知ってるBBOYも沢山出ていて、皆成長しているなと感心しながらJudgeさせてもらいました。個人的に1番成長を感じたのが、『cross step』の『しょー』『やごし』です。
僕の中ではこの2人が1番成長を感じました。もちろん他の皆んなも成長してたし、よく練習するBBOYはいつも見てるし、それも含めてこの2人です。
– 出場者へのメッセージ
自分がやりたいこと、自分が何をしたいかって言うことを深堀していって欲しいです。なので、もっと自分と向き合う時間を大切にして、突き詰めていって下さい。また、他人を見ることで自分を認識できるので、他人を見ることも大事なことです。「今、こんな感じの動き、服装、シルエットのBBOYが多い」と感じたなら、それとは違う動き、服装、シルエットにするだけで、個性が見えてくると思います。
やり方も、考え方も人それぞれなので、結局は好きなことやっていればいいと思います!誰にも振り回されず、誰かを振り回せる存在になっていきましょう!僕も頑張ります!ありがとうございました!
TEXT EDIT : SOUL CITY NAGOYA