JUDGE’S COMMENTS – RAISE UP 2016 FINAL
2016年3月13日(日) 名古屋市中区 CLUB MAGO で開催された『RAISE UP 2016』審査員3名の総評を掲載!2015-16シーズンの東海地区NO.1最強大学ダンスサークル決定戦、14大学21チームが参戦した大学サークル対抗バトルを振り返る!
LtoR…AKIHISA / usako / Super-Reo
– 全体の感想
8チームともに勢いがあって、全体的に良かったと思います。ただ、それぞれに穴やスキも多く、そういった点が目立ってしまっていたようにも感じます。そこを自分達で埋めたか、相手に付け込まれたかで、戦況が大きく変わった場面が多々あったと思います。
あと個人的な事ですが、僕は出来る限り一つのバトル終了毎に審査員に一礼するようにしているのですが、そういったダンサーは今回ほとんどいなかったですね、勿論それでもOKです。ただ審査員に選ばれる方々は、自分の今までのダンス人生をもとに “リスクを背負いながら” 本気でジャッジに挑んでいます。それは知識として覚えておいてくれたら嬉しいですね。
– 印象に残っているチーム、バトル等
決勝戦の『名古屋外国語大学 ROUTE20』と、準決勝の『名古屋工業大学 DFC』は強く印象に残っています。あと一回戦で負けてしまいましたが『名古屋外国語大学 就活モード20』も、もっと見てみたかったです。
– 出場者などへメッセージ
もっともっと『自分のダンス』と会話してあげてください。今日はありがとうございました。
– 全体の感想
全8チームあまり差はなく僅差だった気がします。特に準決勝からは、4チーム共に優勝の可能性があったと思います。ドローが出たバトルは私自身もすごく悩みました…が、自分が出したジャッジに悔いはないです。ドローは出したくなかったけど、意思表示として「出したい」と思った試合が一つあったので出しました。それくらい悩んだバトルが多かったです。
今回スキルやルーティン等、色々見ながら審査させて頂きましたが、5人のメンバーそれぞれのダンスを合わせて『一つのフロー』として捉えジャッジをしていたので、最後しりすぼみになった印象のチームは勿体なかったなと思います。
BBOY達のバトルの出方が印象的で、とてもかっこよかったです。それ以外のジャンルのダンサーの子達はもっと色々な重心で踊ったら踊りに広がりが生まれると思います。それから、あまり前に出て踊らない子が多かったので「もっと前に出て踊った方が目立つのにな」と思いました。
あと、会場の空気が例年に比べると静かだった気がしたので、そこは少し残念でした。私もバトルとかで悔しい思いをよくしますが、そういう時こそ最後までイベントに参加して “何か一つでも吸収して帰る” ようにしてます。その場を楽しむことも大事だと思います。
– 印象に残っているチーム、バトル等
優勝した『名古屋外国語大学 ROUTE20』は、5人全員から熱い思いがビシビシと伝わってきて、”スキルフル”というよりも “ダンスフル” で人間臭い踊りをしていて特に良かったと思います。『みゆぽん a.k.a ChildFoot』『MASANARI』の2名がチーム全体を引っ張っているように見えて目立っていたけれど、先陣をきっていた『武蔵』もよかったし、『Idonity』の入り込み方もよかったです。『雪奈』も前よりパワーが増してましたね。
準優勝の『名古屋工業大学 DFC』は、クルー全体の空気、世界観の作り方が上手でした。中でも『よしまてぃ』『J.J』を筆頭にルーティンでも良い空気感を作っていました。時間のルーティンのタイミングもすごくよかったと思います。決勝の時の「この音はお前じゃない」という、よしまてぃのフォローもミスを上手に回避してむしろ良いライブ感が出ていて、私は好きでした。全体を通しても、名古屋工業大学 DFC が一番まとまっていて、スキル面・ダンス・遊び・キャラ等…全体的にバランスが一番よかったと個人的に思いました。『Kenji』のムーブもよかったです。前にジャッジで見た時よりすごく上手くなってました。
ベスト4の『愛知学院大学 SELFISH』は、個々のスキルが高くてチームとしてのバランスも良かったです。『名古屋大学 N.U.STYLE』は疾走感があって、特に『RYU BEAR』の踊りがかっこよくて印象的でした。どの大学も “それぞれのチームにしかない持ち味” があってよかったです。チームであれ個人であれ、持ち味って大事にすべきことだなと改めて思いました。
– 出場者などへメッセージ
昔と比べると学生のダンスシーンは広がり、学生イベントって本当に増えたと思います。だからきっと今は何もしなくても、”踊る機会” や、”踊る場所” が沢山そろっていると思います。だけど社会人になると、そういう機会は減るし、踊らせてもらう場所は自分の手で切り開いていかないとなかなか無いです。卒業して社会人になる人は、両立も大変になるだろうけど、自分のペースで焦らずに自分のやりたいことを続けていってほしいと思います。私も頑張ります。おつかれさまでした。
– 全体の感想
バトル全体の感想としては、凄く楽しかったです。僕自身つい1年前まで大学生で、こういったサークル対抗のバトルにも参加したりしていたので、皆のサークルに込める想いをものすごく理解できるし、今回のバトルでもビシビシと伝わってきました。東海地区の学生シーンには同い年でまだ学生の人も多くて、自分にとって同い年がカマしている姿はすごく刺激的でした。皆の気合いが伝わってきて、僕は完全に皆に負けてるなとも思いました。(笑) 良いバトルも沢山あって、僕自身の気合いスイッチもオンになりました。
– 印象に残っているチーム、バトル等
印象に残っているチームは『名古屋学院大学 classics』です。BBOY主体のチームだったと思いますが、今回の出場チームの中で一番 “クルー感” があったように思いす。作っている感じではなく、ナチュラルに自然な空気感で出ていて素晴らしかったです。ただ相手チームの『MASANARI』『みゆぽん a.k.a ChildFoot』(共に 名古屋外国語大学 ROUTE20)もスゴく良くて、甲乙つけ難いバトルだったので、僕はドローを上げましたね。あのバトルは熱かったです。
あと『名古屋工業大学 DFC vs 名古屋大学 N.U.STYLE』の延長戦もテンション上がりました。『れーな (N.U.STYLE)』の吹っ切れた感じと『よしまてぃ (DFC)』の独特な濃い雰囲気のぶつかり合いも最高でした。『常葉大学TDC』のポッパーも気合いが入っていて、凄く良かったですね。出ていたポッパーの中で個人的に一番好きでした。決勝では『名古屋外国語大学 ROUTE20』の WAACK2名がこの日一番良い表情と踊りをしていて、特に魅了されました。チーム全体で見た時に ROUTE20 の方が良かったと感じたので、ROUTE 20 に挙げました。
– 出場者などへメッセージ
一回戦目を勝ち上がったチームは全国大会に駒を進めたと思うのですが、全国大会で戦うにあたって、特に “ルーティンのクオリティ” を上げなければいけないのかなと思いました。ルーティンを出しても、その質のせいで効果的に活かせておらず、逆に勿体ないと感じてしまう事がありました。凝りすぎて伝わりにくい感じになってしまうのであれば、シンプルに「スパッと出やすく質の高いルーティン」を出す方がより良いインパクトを与えれるのかなとも思いました。
全国大会に出る皆さんは、全国の大学サークルに『東海エリアの意地と気合い』を見せつけて来て下さい。そして戦いから帰って来た時には僕ともサイファーして下さい。是非よろしくお願いします。今回は、本当に勉強になりました。出場者の皆さんありがとうございました。今後の更なる活躍を応援してます。
PHOTO : HRK
TEXT EDIT : SOUL CITY NAGOYA