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KAZUKIROK (BODY CARNIVAL) – INTERVIEW

 

世界最高峰の1on1ブレイクダンス・バトルトーナメント Red Bull Bc One での活躍は勿論のこと、日本を代表するBBOYクルー “BODY CARNIVAL” の一員として世界中の様々なバトルで快進撃を見せる 『KAZUKI ROK』氏にスペシャルインタビューを敢行。その確かなスキルと、強烈な個性を武器に様々なバトルで輝かしい実績を残し、世界中のBBOYから注目を集める KAZUKI ROK氏の素顔と内面に迫りました。

 


 

– まずは、自己紹介をお願いします。

本名、桑原和樹。BBOY KAZUKI ROK a.k.a イビルジョー a.k.a The Rubik Cube です。所属は BODY CARNIVAL、SHANGRI-LA、USUIKIKAKU、 GOSTOBA、THE BIGGEST SHITS。 ダンス歴は13年目で、現在は京都に住んでいます。

 

– 11月にイタリアで開催された『Red Bull Bc One World Final 2015』に出場されたのは記憶に新しいところですが、そのステージに立った際の感想や想いなどをお聞かせください。

とりあえず、イベントが終わって思ったのは「もう、ダンスを辞めてもいいな」と思いましたね (笑) 僕は、以前から自分の中で『Red Bull Bc One World Final』に出ることを、大まかな目標にしていました。勿論それだけを目標にしていた訳ではないのですが… Bc Oneが、現在のNO.1ソロバトルイベントだと思うんですよね。若いBBOY達も、まず最初に「Bc Oneに出たい」ってなるくらいのイベントだと思うんです。僕も本当にそうだったんです。だから、あのステージに立てた時は「もう、辞めてもいいかな」と思えるくらいでしたね。出場できて本当に良かったというのが正直な感想です。夢が叶ったと思いました。

 

 

– なるほど。実際にその『夢の舞台』へ出場してみて、世界との差や、自分のレベルに対して感じることはありましたか?

今回出ていたメンバーで言えば、ヨーロッパ等で行われている他のコンペティションなどでもよく会うメンバーだったので「また会ったね」くらいの感じでしたね (笑) なので、そういった面では、他のコンペティションとの差も、自分が想像していたよりはありませんでした。あとダンス的な部分では、僕は “大きな大会向きのスタイルでは無い” ので、動きのレベルの差などは気にしないようにしていますね。

 

– そうなんですね。一回戦で韓国のBBOY『POCKET (MORNING OF OWL)』とのバトルでしたが、踊り終えた際の手応えや、感想等はありますか?

正直最近、昔と比べると「やってやろう!」っていう気持ちが少なくなっていて…あと、僕は元々メンタルが凄く弱いんですよ。未だに、注目される事に慣れていないんですよね。また最近は塞ぎがちで、パッションを前面に出せない癖がついちゃってるんです。 でも、自分の夢である BC One に出て、久しぶりに “内なる闘志 ” みたいなのは出せたかなと思います。POCKET は本当に良いやつで、パワームーブもかなり凄いので、彼に対する闘志みたいなのは出せなかったですね。可愛いので (笑)

 

 

– 話は大きく変わりますが、地元である広島のクルー『SHANGRI-LA』に所属しながら、京都の『BODY CARNIVAL』にも所属されていると思いますが、京都に移住したキッカケや BODY CARNIVALに所属したキッカケなどを教えて頂けますか?

かなり前の話になるんですが『B1最強タッグ 広島予選』に、BODY CARNIVALのメンバーとして第一線で活躍していた NARUMIさんが出場していて、その時にたまたまバトルで対戦することになったのですが、僕達が勝っちゃたんです。NARUMIさんは、凄く怒っていて握手とかしてくれなかったんですけど…(笑) でも、その後に謝りに来てくれて少しだけ交流して、そのおかげで僕の事を覚えててくれたんですよね。

そして、ちょうどその頃に「SHANGRI-LAが解散するかも?」という話があったんですね。メンバーそれぞれ住む場所が変わったりで…でも最終的には「広島で残ったメンバーでゆっくりやろう」という感じになったのですが、個人的には “国内だけでなく世界の舞台での活動” に興味があったんです。同じくらいの時期に BODY CARNIVALは世界的に活躍し始めていて、NARUMIさんなどから「もしチームが解散するんだったら一緒にやろうよ」と誘ってもらって、それがきっかけでメンバーになりました。

結果的に SHANGRI-LAは解散しなかったんですが、誘ってもらった時に生まれた BODY CARNIVALへの熱い気持ちみたいなモノが抑えられなくて、メンバーには凄く謝って、京都に移住して、チャレンジする事にしました。涙と笑顔で送り出してくれて、その後も僕を仲間だと思ってくれた SHANGRI-LAの皆には感謝してもしきれないですね。

 

 

– BODY CARNIVALの中でも独自のオリジナル・スタイルを武器に世界中で活躍するKAZUKI ROKさんですが、現在のスタイルに至るまでのプロセスや、キッカケなどがあれば教えて下さい。

 
「ダンスが上手くなりたい」という漠然とした目標をもって色々なモノを吸収し続けたら勝手にこうなりましたね。「こうなりたい」という明確な目標があった訳ではなく、オリジナルな技などを、付け足していったら、少しずつ人に見てもらえるようになって、周りから「KAZUKI ROKっぽいね」と言ってもらえるようになりました。

また憧れたBBOY達も沢山居ます。自分は凄く影響されやすくて、好きなBBOYが沢山いるんです。アメリカ、ヨーロッパのBBOYにも勿論影響を受けましたが、日本のBBOYには特に影響を受けましたね。ダンスを始めた2003年頃に見たBBOY達からは凄く影響を受けていると思います。未だに僕の中のレジェンド達ですね。それと『LIL OSSA』『OMATA THE MANIAC』『INAPON』『こーちゃん』『URAさん』は、僕の師匠的存在ですね。

 

– このインタビューを見ているBBOY達の中にも、KAZUKI ROKさんに影響を受けている方が沢山いらっしゃると思います。メッセージやアドバイスがあればお願いします。

とりあえず僕は、有名になりたい願望が凄く強かったんですね。バトルで勝ちたいっていう気持ちが強くて、バトルにしか興味がなかったんです。ショーやワークショップなどには興味がなかったし、自分をプロモートすることにも全く興味がなかった。とにかく、”バトルに勝つこと” だけをずっと考えてきたんです。でも、ダンスってそれだけじゃないんだと、今になって改めて思います。当時の僕はそこしか見えていなかったんですね。今思えば、その時にもっと心に余裕を持って、色々な場所に行ったり、そこで出会う人たちと喋ったり、自分と違うスタイルの人と交流していれば、もっと多くの事を得れたんじゃないかなって勿体無い気持ちになります。

あと僕は、朝起きてから仕事中もずっとダンスの事を考えています。そして家帰ってからもYouTubeを2時間位は見ます。YouTubeが本当に好きなんですよね (笑) 色々なBBOYを見て、そこから練習に行きます。練習中はもちろんダンスのことだけを考えて、家に帰ってもストレッチをしながらダンスのことを考えたりします。こうやって、とにかくブレイクダンスのことだけを考え続けていたらこうなりました (笑) どんな考え方であれ、考える時間が長いのは良いと思うんです。「ブレイクダンスの事をそれだけ意識していればそりゃ上手くなるわ」って僕は思いますね。みんなも、それぞれに考えて、外に出て欲しいです!

 

 

– では最後に、今後の展望などがあればお聞かせ下さい。

ソロバトルはもう疲れちゃいましたね。振り返ってみると、BODY CARNIVALの中でも一匹狼みたいに1人で頑張ってきたなって自分では思うんです。自分の練習が上手くいかないと、イライラしてチームメイトに強く当たってしまったりと…自分のことだけしか考えずにダンスをしていたんですね。でもチームが10周年を迎えたり、悲願だった 『Battle Of The Year Japan』を優勝できたり、『Red Bull Bc One World Final』に出れたりしていく中で、考えが一周して「本当に自分のダンス人生は恵まれてるな」と思えるようになったんです。仲間って本当に大切だなって思えましたし。

だからこれからは、BODY CARNIVALとして、SHANGRI-LAとして、より頑張っていきたいですね。ソロバトルも今までは “自分の為” にずっと踊って来たので、これからは “みんなの為” に踊れるようになっていければと思います。

 

– 様々な経験を積み重ねていく中で育まれた “新たな熱い気持ち” を胸に、更なる進化を続けるKAZUKI ROK。BBOYとしては勿論、人間としても輝きを増し続ける彼から2016年も目が離せない。

TEXT EDIT : SOUL CITY NAGOYA