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COLUMN | ルーティーンと脳と身体 – UC

 

daft, INDIAN CREW として全国的に活躍する、東海地区を代表するHIPHOPダンサー『UC』による SOUL CITY NAGOYA COLUMN 第16弾!

 


 

どうもです。UCです。ひっそりこっそり SOUL CITY blog です。

今日も今日とて、脳の話を少し。

 

このblogをご覧の方はダンサーが多いかと思いますが、
皆さんは踊る時に行うルーティーンてありますか?

 

ルーティーンといっても、SHOWやレッスンの時にみんなで合わせる振り付けのことではなく、SHOWやバトルなど、いわゆる自分の出番前に行うお決まりの動きってやつです。

 

最近では、ラグビーの五郎丸選手のキック前のあのポーズや、カープからメジャーにいった前田健太投手のマエケン体操などが世間的にも有名になりましたよね。

 

“本番の時は必ずこのパンツを履く”
“フロアに入る時は右足から入る”
“バトル前には決まった曲を聴いてアップする”
“踊る前に指輪に口付けする”
などなど、人によっては色々あるかと思います。

 

実は僕も結構ある方です。具体的には恥ずかしいので書きませんがw

 

そういう “自分ルール” を決めている人の多くは、“それをやった時に良い結果が起こったから” という “ゲン担ぎ” の意味合いでそういうことをしている人も少なくないかと思います。

 

逆に、そんなの全然気にしないよーて人もいると思いますし、そういう人からしたら、そんなの効果あるの?!てところだと思います。果たして“ゲン担ぎ”て意味・効果があるのでしょうか??

 

実は、こういう“ルーティーン動作”ていうのには、ゲン担ぎのような非科学的なことではなく、別で科学的に意味があるんです!(僕は非科学を否定しているわけではありません。スピリチュアル好きですし。)

 

どんな意味かというと、脳には、「ある決まった動作」をすると、「その動作を繰り返してきた場面と同じ神経信号の状態を作る」という癖があるのです。

 

ダンスを踊る場合、音楽や状況によって、とっさに判断しないといけないことが多いですよね。

バトルなんて即興なので特にそうですが、SHOWにしたって毎回同じステージ、同じ観客なわけではないですからね。エンターテイメントとして臨機応変さは常に求められますよね。

 

そうした時に、とっさの神経信号にブレがあると困るわけですよ。だから、神経信号にブレがないように、神経状態をニュートラルにしておかなければならないというわけです。

 

例えば、F1レーサーやバイクレーサーなど、とっさの判断が命に直結するような分野の方々は、ルーティーン動作がめちゃくちゃ細かいみたいですね。

物の置く位置も厳密だし、ルーティーン動作も何分にも渡るものだったり。それだけ繊細なんでしょうね。

 

だから、バトル前とか神経状態にバラツキがあるような人は、自分だけのルーティーン動作を作って、神経信号をニュートラルにする術を身につけておくと、安定して踊れるようになるかもしれませんよ(^^)

 

そうそう、神経状態のバラツキついでにもうひとつ脳と身体の関係についてお話を。昔よく身近な人にアドバイスしていたのですが、「どうしても本番前に緊張してしまう」という悩みをよく聞きます。

 

これは昔も今も悩んでいる人は多いかと思います。大なり小なり、やっぱり緊張しますよね〜

 

でも、緊張しているっていうのは、どういう神経状態かというと、交感神経優位の状態なんですよね。

ヒトの自律神経には交感神経と副交感神経がありまして、活動している時は交感神経が、休息する時は副交感神経が、それぞれ働くわけです。

 

だから、緊張(=交感神経)をとろうと思って、リラックスしようとすることは、副交感神経優位に持っていこうとするわけで、もし副交感神経優位になったら、休息モード、要はチカラが抜けちゃうわけですね。

 

睡眠、入浴、カフェタイム、そういうのが副交感神経優位ですから、そう考えるとその様な状態では踊れないですよね。(そのくらいの気持ちで踊りたい部分もありますがw)

 

だから、緊張=交感神経優位というのは実は身体を動かすにあたっては悪い状態ではないわけで、その“緊張”という感情を、同じ交感神経優位の“興奮”とかにすり替えていくほうがいいと思っています。

 

「あー緊張する〜」じゃなくて、
「あー興奮してきた〜」と自分を鼓舞していこうってことですw

 

不安な気持ちを肯定していくことで心が落ち着けば、副交感神経もはたらき、自律神経のバランスが整うと思うんですよね。理想の状態は交感神経:副交感神経が1:1の状態なんて言われたりもしていますしね。

 

まとめますと、“緊張”を悪いこととして無理にリラックスしようとすると、不安やストレスからさらに交感神経優位に陥りやすいと思うので、“緊張”を“興奮”“ワクワク”と、肯定的にすり替えることで、自律神経をバランスよく保てやすいんじゃないかってことです(^^)

 

まぁ言うは易し行うは難しなので、まぁ話のタネ程度で捉えていただければ。

 

そんなわけで、脳と身体の繋がりってほんと面白いですね◎ほんと不思議なことばかり。なんにせよ、自分の脳内を身体表現するダンサーだからこそ、どちらも健やかに保ちたいですね!