COLUMN – BREAK 日記 4 – 可動域
岐阜県を拠点に国内外の様々なバトルで活躍する、東海地区を代表する BBOY『KENT (TURKS, HEROES)』による SOUL CITY COLUMN 第四弾!
今回は「可動域」の話をします。
まず最初に自分の動ける幅。これはすごく大事だと思います。
例えばあなたがチェアーから違う動きに繋ぐ時に1、2種類だけの繋ぎ方が出来るのではなく10、20種類と様々な方向、形に自由に動かせるbboyは1、2種類動かせる人が思ってる以上にダンスに自由がきいてると思います。
もしいきなり1、2種類しか動かせなかった人が10、20種類動かせるようになれば「え?こんなブレイクって自由に動ける方向があるんだ…今までの自分の幅の狭さ、動きにくさはなんだったんだろう」
ってまるでダンスの角が取れるように感じるくらいだと思います。もちろんチェアーからだけではありません。自分の「可動域」ってすごく大事でその人がより自由に踊れて体をコントロール出来る用になるすごく大切な要素だと思ってます。
そう「可動域」を広げる事はめちゃ大事なんです。
じゃあ「可動域」はどーすれば広げれるのか。
bboyを始めた子がトップロックを覚えました。これは動いた事なかった動きが体に入ったって事ですよね?
その子の「可動域」が増えたって事です。長年やってた人が同じ動きを練習する。これは「可動域」が増えてません。長年やってた人がやった事ない逆のパワームーブを練習して出来るようになった。
これは「可動域」が増えてます。
そう、動いた事ない動きを覚えるから「可動域」が増えるんです。
次に。
可動域を広めてる最中に知らずに誰かと同じ方向の動きが出来てしまっている時が誰でもあります。
そーするとバトルなどで「お前は真似だ。バイトだ。」ってなります。でも僕からしてみるとそれは正直まったく関係なくて自分の可動域を広げてる途中の動きが偶然誰かと一緒だっただけ。
言い換えれば…
立ち幅跳びで2m50cmの記録を持つ人がいました。そして立ち幅跳びで自分はどんどん記録 (可動域) が延びる最中にたまたま2m50cm飛ぶ人と同じ記録になりました。2m50cm飛ぶ人「俺の真似だ!」…いや…そこ見てないです…もっと3mとか飛ぶ為に日々「可動域」広げてます。的な感じです。
まだ自分が下手でたまたま誰かの動きと重なってしまってる動きをしてるだけなのでそこまでの「可動域」ということ。
ほんと大事なのは「可動域」を広げ続ける事。広げ続けるといつか誰もやってない自分らしい動きばかり出来る時が必ずきます。
そして次は見つけ方。新しい「可動域」を見つけるのは簡単。
足や手などをある方向に出してみて自分が違和感を感じる方向であればあるほど、そちらは普段自分が動いてないチャンスが詰まってる方向です。だからそちらの違和感ある方向に動いてシルエットとして広めていけば自然と「可動域」は広がっていくんです。
なんか今成長止まってるなー。
って思ってる人ほど普段と同じ練習や動きをしたりしてます。
自分が違和感のある方向に動かしてみてそれをシルエットにしてみてください。まるでブレイク始めた子がトップロックを覚えたように、動ける方向が広がってあれ?最近楽しい!成長してる!
ってなります。
ちなみに僕はネタを詰めたセットムーブが20個以上あって前に単品だけでネタを数えたら60個くらいありました。もう使わなくなった動きを合わせたら余裕でネタ数100を超えると思います。正直ネタ100あってもセットムーブ20あっても全部使わないけど、これは使う使わないの話じゃなくて何も考えずに踊った時にネタがない時の自分より勝手に自由に動いてくれる体の「可動域」が増えています。
ネタを作るのは言い換えれば「可動域」が増えてると言うことですごく良い事だし自由に踊れるようになる。って僕は思います。
トップロックもある意味ネタですしね。笑
https://www.youtube.com/watch?v=uu2JGOS0cRs
前の色んな可動域を試してみた練習動画を貼っておきます
ネタは「可動域」を広げてる最中に出来てて、毎回違うネタが出来るんですが、ネタが出来る時自分がどんなネタが出来るか分かりません。やっぱりネタ作りのコツは体を色んな方向に動かしてみて違和感を感じる方向であればあるほどそちらの方向は普段自分が動く感覚が少ないわけです。だからチャンス。
こんな方に動くのありか?と体が不慣れな方向に動けば動くほど自分にはなかなか生まれないネタが生まれるし、「可動域」が増えるわけです。
「可動域」の話を長々としてみたけど、もし皆が不慣れな方向に動きまくってそれをどんどん体に身に付けていけば…いつか「こんな自由に体が色んな方向に動いてくれる」そう感じるのも近いと思います。
僕もまだまだ動いた事ない方向が沢山あるのでそれをネタとして「可動域」を増やしさらに自分のダンスがより自由に楽しく踊れればいいなと思っています!